百代の夢に 雪ぞ降りける

あらゆる創作作品に対する感想を気ままに述べるだけのブログ

自己紹介

 これで何回目になるかも分からないブログ作成ですが、日々出会うあらゆる創作作品に対する自分の意見を載せる場所として用いたいと思います。美術館で見た絵画だったり、映画だったり、文学やその他の小説、または美少女ゲームなども対象にしていきたいと考えていますが、特に誰かに見て欲しいというわけではなく、完全に自己満足として記事を書き連ねていく予定です。時には自分が生活するうえでふと感じたことなども日記として残していこうかなとも考えています。高校時代文芸部で俳句や短歌をやっていたので、それを載せたりすることもあるかもしれません。

 それでは最初に紹介したい作品は2006年にPULLTOP様から販売された美少女ゲーム遥かに仰ぎ、麗しの」です。この作品は私が触れてきたあらゆる創作作品の中でも最も衝撃を受けた作品の一つで、今でもその衝撃を忘れられずとても大切な作品として心の中に残り続けています。

 簡単なあらすじを紹介させていただきます。

 主人公の滝沢司は就職先が決まらずに悩んでいたが、伝手でとある女子校の教師を務めることになります。凰華女学院、それがその学校の名前です。日本でもトップクラスの家柄の子女が通う、いわゆるお嬢様学校というものです。しかし、実際にそこへ訪れようと凰華女学院行きのバスに乗り、目的の場所で降りるとそこには緑に囲まれた一本道が続く寂れた光景が目に広がるばかりでした。実は、この学校には秘密があり、それを解決するために主人公は奔走することになります。

 

 ネタバレを回避するために曖昧な紹介に留めておきました。次からは空白をあけてネタバレの入った作品のレビューをさせていただきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この作品のテーマとして一貫しているのは「家族」です。凰華女学院という箱庭に閉じ込められたお嬢様はそれぞれの家族問題を抱えています。梓乃ルートは違うのでは? という反論もありそうですが、これも主人公の血縁の問題に立ち向かおうとする話なので、創設的な意味での家族というテーマに当てはまると思います。こじつけでしょうか。

 さて、主人公は彼女たちをこの鳥籠から救い出してあげたいという気持ちを持って、彼女たちに真摯に向き合います。そんな彼女たちも主人公の心に惹かれ、次第に双方恋に落ちていくのです。これはどのルートも同じです。まるで絶望の中からの共依存ではないか、と思われそうですが、主人公とそれぞれのルートのヒロインはそんな上澄みだけの関係ではなく、しっかりと心と心で繋がっているということが細かい描写からも分かるかと思います。そう、細かい描写です。この作品では物語の大筋を追うのもいいですが、何より主人公とヒロインとの会話を慎重に大切に聴いてもらいたいと私は思うのです。この作品(本校編に限ります)は一種の演劇作品として抜き出しても成り立つのではないかと思うほど登場人物の台詞とそこに込められた心情に重きをおいています。決して表面の意味だけを捉えていてはだめです。この台詞に込められた登場人物の思いを斟酌してこそ、この作品は美少女ゲームという垣根を越える深みを持った作品として存在しうると考えています。

 

 この作品については語ると長くなりすぎてしまうので、まだ論旨も曖昧なままですがいったんここで切らせていただきたいと思います。また時間があれば同作品について意見を記させていただく予定です。