百代の夢に 雪ぞ降りける

あらゆる創作作品に対する感想を気ままに述べるだけのブログ

 最近、映画鑑賞に興味がありまして、定額有料配信サイトやレンタルビデオなどを利用して色んな作品を観ています。映画に対する造詣みたいなものはなくて、全くの素人です。常識レベルの作品すら全く知らないなんてこともあって、素人以下といってもいいかもしれません。それでも最近映画に興味を持った理由としては、2時間から3時間程度の長さで一つの話を纏めるこのメディアに強い関心を持ったからではないでしょうか。俳句や短歌も定型という制限があってそこに自分の表現したいことを無駄なことは削りながら強調させていきます。きっと映画も描いてみたいあれやこれを苦心の思いで2時間程度にまとめているんだろうな、と考えると自然とレンタルビデオ屋に足を運んでいました。

 昨日は黒澤明監督の七人の侍を観ました。日本人ならば知らない人間は誰もいないくらい有名な作品ですが、昨日までどんなあらすじかも知りませんでした。

 この作品を観て一番驚いたところは、観終えたときに再生時間を見て3時間半もあったことに気付いたことです。「こんな長かったの!?」と驚いてしまいました。それほど3時間半が一瞬に感じられるくらい娯楽作品としても面白かったのです。今まで黒澤明監督というと難しくて平凡な人には理解できない作品を作るのかなと思っていましたが、それだけではなく純粋なエンターテイメントとしても一流だと分かって驚愕する他ありませんでしたね。60年以上前の映画が古典の眼鏡をかけて見ずとも楽しめるとは異常なことだと思います。

 ちょっと調べてみるとこの作品、白黒映画だからこそ色々な工夫が施されているようですね。ラストの雨の決戦、あそこで降っている雨が白黒でも分かりやすいように墨を流していると聞いて、なんでそんなことが思いつくんだと笑ってしまいそうでした。

 そういえばこの前中谷彰宏さんの本を読ませていただいたのですが、中谷さんは大学在学中に色んな映画を観られたそうで、黒澤監督の映画もたくさん観たと書いてあります。しかしある日、黒澤監督について書かれた本を読んだら自分はなんと浅い理解をしていたんだと気付いたそうです。演劇科で映画の勉強をされていた中谷さんですらこうなのですから映画素人以下の私がこの作品を一回見ただけで何を理解できるんだと思いました。これからの人生で黒澤監督の映画は何回も観て、その度に新たな発見をしてみたいな、とそんなことを考えていました。